マツエクの施術者になるためには、法律で定められた資格が必要です。
さらに、民間の資格も取得することで技術が高められ、お客様にも信頼されるでしょう。
資格を取得し、専門的な知識と技術を身につけた目元美容のプロは『アイリスト』と呼ばれています。
この記事では、マツエク施術に必要な資格や、アイリストになるためのステップを分かりやすく解説するのでご確認ください。
株式会社ewaluでは、これまでに多くのアイリストの独立開業をサポートしてきた実績があり、その経験を基にご説明します。
マツエク施術に資格は必要なのか?
施術者になるには美容師免許が必須になる
マツエク施術をお客様に行う場合は必ず美容師免許が必須です。
免許を所有していない状態で施術を行うことは『違法』なのでしないようにしてください。
もし、違反してしまうと美容師法により30万円以下の罰金が科される可能性があるので注意しましょう。
また、お客様からの報酬の有無に関わらず施術を行った時点で違反となり、健康被害などが発生した場合はさらに重い罰則が科せられることもあります。
そのため、アイリストとしてお客様に施術を行いたい場合は、美容師免許を取得してから行うようにしましょう。
参考:法令検索e-Gov
美容師免許なしでできること
美容師免許がない場合、他人への施術は法律で禁止されていますが、自分自身に対して行うことは可能です。
しかし、セルフでマツエクを行うことには多くのリスクが伴い、注意しなければなりません。
通常、マツエクは目を閉じた状態で施術しますが、セルフで行う場合は鏡を使いながら作業する必要があります。
そのため、手元が狂って眼球を傷つけてしまう恐れがあるのです。また、薬剤が誤って目に入ると、炎症や痛みを引き起こす可能性があります。
最悪の場合、失明のリスクもあるためセルフでのマツエクはおすすめできません。マツエクを希望する場合は、専門のサロンでプロに施術してもらうことが安全でしょう。
また、美容師免許がなくてもマツエクサロンを開業することも可能です。
資格を所有する施術者を雇用すれば、経営者としてサロンを運営することができます。
この場合、施術者の資格確認や安全管理を徹底し、信頼できるサービスを提供することが重要です。
美容師免許の取得方法
課程 | 特徴 | 費用の目安 |
---|---|---|
昼間課程 |
|
200~300万円 |
夜間課程 |
|
150~250万円 |
通信課程 |
|
50~80万円 |
美容師免許の取得には、上記の方法で学習が必要です。
次の項目では、美容師免許の国家試験の流れを説明するのでご確認ください。
国家試験の受験資格
美容師免許の国家試験を受験するには厚生労働省が指定した美容専門学校の課程を修了する必要があります。
それぞれの課程で必要な年数は下記の通りです。
課程が修了する年の1月下旬から3月上旬にかけて、理容師美容師試験研修センターが実施する美容師国家試験を受験することが一般的になります。
国家試験の内容
美容師免許の国家試験は学科と実技があり、どちらも合格する必要があります。
試験の内容は下記の通りです。
学科試験は、美容の基礎知識、衛生管理、皮膚科学、関係法規が主な試験内容になります。
髪や皮膚の仕組み、カットやパーマの成分、感染症予防や消毒方法についての問題が出題され、美容師法などの法律や美容技術の理論的な知識も必要です。
60%以上の正答率で合格となります。
実技試験はカットとワインディングです。
カットは指定されたスタイルを時間内にカットし、ハサミの使い方、仕上がりの正確さが評価されます。
ワインディングは、パーマのためのロッドを正確に巻く技術です。均一性やスピード、手順が重要になります。
減点方式で評価され、一定点数以上取れば合格です。
免許申請に必要なもの
美容師免許の申請には下記の書類や費用が必要になります。
・健康診断書
・住民票
・免許申請書
・手数料
・収入印紙
免許に関する書類の送付先は下記の住所です。
東京都渋谷区笹塚2-1-6 JMFビル笹塚01(8階)
公益財団法人理容師美容師試験研修センター「免許登録宛」
「〇〇申請書在中」と記入してください。
封筒の裏面に必ず申請者の氏名・住所を記入し、申請書と必要書類を郵便局の窓口より簡易書留にて郵送するようにしましょう。
民間資格でスキルを磨こう
美容師免許を取得後は、アイリストとしての専門的な知識と技術を習得できるため、民間資格の取得がおすすめです。
マツエクなどの施術工程のクオリティ向上を目的とした試験内容となっており、取得することで即戦力として活躍できる可能性が高まります。
そのため、就職にも有利となり、面接ではアピールポイントになるでしょう。
また、民間資格の取得はお客様にも信頼感を与え、リピート率の向上も期待できるので積極的に取得することがおすすめです。
おすすめの民間資格
試験名 | 受験料 | 試験内容 |
---|---|---|
まつ毛エクステンション技能検定試験 |
|
マツエク施術に必要な道具の使用方法からスピード・装着バランス・デザイニング力などの技術力 |
JEA技能検定試験 |
|
サロンワークで必要なまつ毛構造などの知識から様々なタイプのマツエクの施術 |
資格認定5STAR技能評価試験 |
|
選択&記述式の筆記試験、マツエク装着などの実技試験 |
おすすめの民間資格を表にまとめました。
次の項目では、資格の内容を詳しく解説するのでご確認ください。
まつ毛エクステンション技能検定
まつ毛エクステンション技能検定は、一般社団法人日本まつ毛エクステンション認定機構が実施する資格試験です。
この試験は、まつ毛エクステンションの正しい技術と知識の普及、そして業界の健全な発展を目的としており、安全で高品質なサービスを提供できる施術者の育成を目指しています。
試験は1〜3級の3段階に分かれていますが、2級は『まつ毛エクステンション2級』、『まつ毛エクステンションジュニア2級』と2種類の試験があることがポイントです。
『まつ毛エクステンションジュニア2級』は、美容学生が今後のベースとなる安全で衛生的な技術習得を目標としており、サロンの実践に必要な専門的な内容になります。
JEA技能検定試験
JEA技能検定試験は、一般社団法人日本アイリスト協会が実施する資格試験です。
正しい技能を兼ね備えたまつ毛技術者ならびにまつ毛美容事業に関わる人材の養成を目的としています。
合格者には『証明書』が配布され、ディプロマの場合は額縁に納めてサロンに掲示、バッチの場合はユニフォームに着用が可能です。
そのため、お客様に資格保有者とアピールすることができ、安心感を与えられるでしょう。
資格認定5STAR技能評価試験
資格認定5STAR技能評価試験は、一般社団法人日本ラッシュアーティスト協会が実施する資格試験です。
LEVEL1からLEVEL5までの5段階のランクがあり、まつ毛エクステンションの知識と技術を持つプロフェッショナルの育成を目的としています。
資格認定5STAR技能評価試験は受験資格に経験年数が必要なことが特徴です。
LEVE3では実務経験が1年以上、LEVEL5では実務経験が5年以上必要など資格取得難易度は高くなっています。
しかし、資格取得難易度が高い分、取得することでお客様からアイリストとして信頼されるでしょう。
民間資格取得方法一覧
勉強方法 | 費用の目安 | 特徴 |
---|---|---|
スクール通学 | 20~50万円程度 | 実践的で効率よく学べるが高額 |
通信講座 | 5~20万円程度 | 自宅で学べて費用が中程度 |
独学 | 1~5万円程度(教材費など) | 費用が安いが自己管理が必要 |
次の項目では、3つの勉強方法の内容を詳しくご紹介するのでご確認ください。
スクール通学
アイラッシュスクールは高い費用がかかりますが、効率的にアイリストとしての専門技術を学べる環境です。
現役のトップアイリストから直接指導を受けることで、実践的で質の高い技術を身につけることができ、将来サロンに就職した際には即戦力として活躍できる可能性が高まります。
多くのスクールは卒業後の就職サポートも充実しており、自社サロンへの就職や、独立開業を目指す生徒へのサポート体制も整えていることが多いです。
そのため、アイリストを目指す方は専門的なスキルを学びながら、キャリアの展望も描ける魅力的な選択肢となっています。
アイリストとして成功するための正しい知識とノウハウを直接学びたい方にはおすすめの学習方法です。
通信講座
通信講座は自宅で受講でき、カリキュラムに沿って専門技術を学ぶことが可能です。
多くの通信講座では、2〜3カ月で必要な知識とスキルを習得できます。テキストと必要な道具がセットで提供されるため、追加の準備をせずに学習を始められることが魅力です。
また、メールや電話でサポート体制が整っているため、疑問や不安があればすぐに相談できます。この体制により、安心して学習を進めることができるでしょう。
注意点として、有名な通信講座である『ユーキャン』は、マツエクの資格を取得できないため、自分の目標に合った通信講座を選ぶことが重要です。
独学
独学は費用を抑えて学ぶことができ、自分のペースで学習が可能です。現在社会人として勤めており、時間がない方は働きながらでも学ぶことができます。
しかし、知識の習得方法と時間管理には注意が必要です。
使用する道具やマツエクの施術方法などは、動画などを自分で探し学習する必要があります。そのため、時間がかかり、正しい知識なのかも精査しなければなりません。
また、時間管理も大切です。空いた時間に自己学習が必要となるため、働きながら学習する場合は時間がないことが多いですが、モチベーションを維持しながら学習を続けることが必要になるでしょう。
就職活動の準備
魅力的な履歴書の書き方
魅力的な履歴書を書くためには下記のポイントが重要になります。
次の項目で3つのポイントを詳しくご紹介するのでご確認ください。
志望動機を明確にする
志望動機を明確にすることは、採用担当者に『なぜこの職場を選んだのか』という熱意や適性を伝える重要な要素です。
また、自身の目標や価値観が会社の方向性と一致していることをアピールすることで、入社後の成長や貢献への期待感を高める効果があります。
保有資格や技術をアピールする
保有資格や技術をアピールすることは、アイリストとしての実力や信頼性を証明する重要なポイントです。
美容師免許や民間資格、得意な施術を具体的に記載することで、即戦力としての印象を与えることができます。
また、資格取得の過程で得た知識や、実務で培ったスキルを強調することで、自分がどのように貢献できるかを明確に伝えることができるでしょう。
過去の実績を伝える
履歴書ではこれまでの実績を具体的に伝えることが重要です。
未経験の場合でも、接客のアルバイト経験、学校生活での自主的な取り組みなど、活かせる要素を盛り込みましょう。
具体的には、『アルバイトで月間接客評価で3ヶ月連続でトップを獲得』や『文化祭でクラス20名をまとめ、約200名の来場者数を記録した』など数字を用いて説明することで説得力が高まります。
面接で対策すること
面接では履歴書に記載した内容をさらに掘り下げ、具体的にアピールするようにしましょう。
採用担当者はあなたの人柄や意欲、実際のコミュニケーション能力を知りたいと考えています。
過去の経験がどのようにアイリストとして活かせるかを説明できるよう、具体的なエピソードを用意しましょう。
例えば、接客業のアルバイトでのお客様との信頼関係の築き方や、学校生活でリーダーシップや協調性を発揮した場面などを挙げると効果的です。
また、面接時は笑顔や丁寧な言葉遣い、清潔感のある身だしなみにも気を配り、第一印象を良くすることを意識しましょう。
さらに、サロンの特徴や理念を事前に調べ、『このサロンで働きたい具体的な理由』を伝える準備も欠かせません。
サロンで働いて経験を積む
役職 | 給料の目安 | 役割 |
---|---|---|
アシスタント | 約15~18万円 | 技術の習得をメインに、先輩アイリストの補助や掃除、受付などを担当。 |
ジュニアアイリスト | 約18~22万円 | 簡単な施術を任されるようになり、一部のお客様対応を開始。 |
スタイリスト | 約22~30万円(歩合制あり) | サロンの中心的な施術者として活躍。 |
トップアイリスト | 約30~40万円(歩合制あり) | 新人の教育や店舗運営の一部も担当。 |
店長 | 約35万円~50万円(インセンティブ含む) | 店舗全体の管理・運営を担当。 |
サロンで働く場合、上記の表のようにキャリアに応じて役割や報酬が変化していくため、目標を明確にして取り組むことが重要です。
アイリストの仕事内容
時間帯 | スケジュール内容 |
---|---|
9:00~9:30 | 出勤・開店準備 |
9:30~12:00 | 午前の施術 |
12:00~13:00 | 昼休憩 |
13:00~15:30 | 午後の施術(1部) |
15:30~16:00 | 小休憩 |
16:00~18:00 | 午後の施術(2部) |
18:00~18:30 | 片付け・清掃 |
18:30~19:00 | 退勤 |
アイリストの1日の一般的なスケジュールの例を表にまとめました。
サロンの営業時間や勤務体制により異なりますが、参考にしてください。
経験を積んだ後のキャリアプラン
キャリアプラン | 年収の目安 | 特徴 |
---|---|---|
店長 | 約400~600万円 | サロンの運営管理全般を担当。売上やスタッフ教育、クレーム対応など、多岐にわたる責任を負う。 |
フリーランス | 約300~500万円以上(完全歩合制) | 個人で働き、契約サロンやシェアサロンで施術を行う。 |
独立 | 約600~1000万円以上 | 自分のサロンを運営するため、全ての裁量を自分で握る。 |
各キャリアプランにはそれぞれ特徴があり、目標やライフスタイルに合わせて選ぶことが重要です。
スキルが身についたら独立がおすすめ
自由な働き方ができる
独立開業することで勤務時間、休日の日数など自由な働き方ができます。
サロンで勤めるアイリストの年間平均休日は105〜120日となっており、サービス業のため土日などは休暇が取りにくい環境です。
独立開業することで、営業時間を自分の生活リズムやライフスタイルに合わせて設定できるため、家族や趣味の時間を増やすことができるでしょう。
さらに、子育て中の方はお子様の急な体調不良などにも対応ができます。
自由に働けることで、働くことに充実感が感じられ、幸福度を高めることができるでしょう。
収入のアップが期待できる
独立していないアイリストの平均年収は約362万円となっており、日本の平均年収である458万円と比べると高い数字ではありません。
しかし、独立開業することで平均年収を大きく向上できることが期待できます。
独立開業し、店舗で運営を行なっているアイリストの平均年収は600万円です。この数字は日本の平均年収より約150万円高くなっています。
年収が上がることで生活に余裕が生まれ、仕事の意欲が高まることが期待できるでしょう。
また、自分の頑張り次第では年収1000万円を超えることもできるため、独立開業を目指すことはいい選択肢と言えます。
2024.08.06
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自分のこだわりが貫ける
サロンで働いていると自分が本当にやりたいことができず、不満を感じてしまうことは少なくありません。
他のスタッフやオーナーとの考え方の違い、決まった施術メニューや内装のデザインなど、組織のルールや方針に縛られることで、自分のアイデアや個性を発揮するのが難しい場合があります。
しかし、独立開業することでこのような不満を解決することができるでしょう。
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施術方法やメニューに関しても、自分が本当にお客様に提供したい内容を自由に選ぶことが可能です。これまで興味を持って学んできた技術や新しいサービスを導入したい場合でも、上司の承認を得る必要がなくすぐに行動に移せます。
自分のこだわりを存分に発揮できる環境は、仕事へのモチベーションを高める大きな要因になるでしょう。
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税金や確定申告もサポート
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これらの手続きは難しいと感じる方が多く、苦手意識を持つことも少なくありません。
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2024.09.20
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まとめ
この記事では、マツエクの施術に必要な資格や、アイリストになるための具体的な方法について詳しく解説しました。
マツエク施術を行うためには美容師免許が必須です。この資格がないと施術を行うことができないため、注意してください。
また、アイリストとしてさらに成長したい場合は、民間資格の取得にも積極的に取り組むことがおすすめです。取得することで専門知識や技術力が向上し、お客様からの信頼を得やすくなります。
さらに、アイリストとして十分な技術と経験を積んだら、独立開業を視野に入れてみるのも良いでしょう。独立することで、自由にサロンを運営できるだけでなく、収入が大幅に向上する可能性もあります。
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