マツエクを自宅サロンで開業する場合、儲かるかどうかを確認しておくことは非常に重要です。
アイリストとして独立した後に、失敗で終わってしまうほど、もったいないことはありません。
この記事ではこれから独立を考えている方はもちろん、すでに独立しているものの、中々利益を上げられず悩んでいる方に向けて、下記の内容について解説していきます。
- 自宅サロンで開業するメリット/デメリット
- 実際の売上や年収はいくら?
- 自宅サロンを失敗させないための注意点
株式会社ewalu(エワル)では、アイリストを含めてこれまで100名近くの開業サポートを行ってきた実績がありますので、ぜひ参考にしてください。
マツエクサロンの市場規模
マツエクサロンの需要は近年増加傾向にあり、市場規模は大きくなっています。
ホットペッパービューティーアカデミーが提示している『美容センサス』によると、アイラッシュ業界の市場規模は、2024年上期は1,179億円で前年の915億円より28.9%アップしており、過去5年間で最高値となりました。
主な要因としては、利用者が女性だけでなく男性も増えたことと、女性の1回あたりの利用金額と年間利用回数がコロナ禍前から回復したことが挙げられます。
また、マスク着用の規制が緩和され、外に出る機会がコロナ禍前の水準に戻ったことにより、多くの人がマツエクを日常的に取り入れるようになりました。
ひと昔前は20〜30代の女性が主な利用者層でしたが、現在では中高年の方にも人気を集め、マツエクは幅広い世代になじみのあるものとなっています。
今後もアイラッシュ業界の需要は伸びていき、マツエクを自宅サロンで開業しても、儲かる可能性は十分に考えられるでしょう。
一方で、マツエクサロンの廃業率は、1年で約60%、3年で約90%、10年で95%と、非常に高い割合となっています。
マツエクの需要が伸びているとはいえ、独立を失敗させないように対策を立てておかなければ、アイラッシュ業界で生き残っていくことは難しいでしょう。
自宅サロンで失敗しないためのポイントを、下記の項目で解説していますので、引き続き読んでみてください。
マツエクサロンを自宅開業するメリット/デメリット
メリット
マツエクサロンを自宅開業するメリットは、下記のような項目が挙げられます。
- 利益率が高く全て自分の手元に戻る
- リスクを抑えて始められる
- 働き方の自由度が高い
マツエクは材料費を安くそろえることができ、原価率は5~10%程度とされているため、お客様1人あたりの原価は数百円なのです。
例えば、原価率が10%だとすると、施術料金が7,000円の時は原価が700円で、6,300円が利益として自分の手元に戻ってきます(家賃や人件費を含まない場合)。
また、マツエクの自宅サロンは、小さい規模から始めることができるため、低リスクで儲かる可能性が高いと言えるでしょう。
店舗運営のような大型サロンだと、物件取得やスタッフ雇用などに300万円以上のコストがかかってしまうケースもあるのです。
そして、自宅で開業すると、自分の好きなように運営をしていくことが可能になります。
自分の得意な施術をメニューのウリにしたり、営業時間は空き時間を活用したりと、決まりに縛られることなく自由に働くことができるでしょう。
さらに、マツエクは副業としても始めやすく、仕事や家庭との両立がしやすい分野であるため、自分のペースで働ける点も魅力です。
デメリット
一方で、自宅サロンを開業するデメリットには何があるのでしょうか?
主な項目は下記の通りです。
- 廃業リスクが高い
- 施術以外の業務も自分で行う必要がある
- 困ったときに相談できる機会が少ない
- セキュリティーにリスクがある
近年、マツエクの需要に合わせて、自宅サロンで儲かるために開業する方が急増しており、他店との競合が激しくなっています。
競合が多い中で生き残っていくためには、他サロンにはない魅力をお客様にアピールしていくことが重要ですが、差別化が上手くできなかったために、廃業に至ってしまうケースが非常に多くなっているのです。
また、マツエクを自宅サロンで儲かるためには、施術以外にも下記のような業務を行っていかなければいけません。
- 予約管理
- 顧客対応
- 売上管理
- 商材の発注管理
- 集客対策
どれか1つでも苦手な業務があると、顧客満足度やサロンの経営において、支障をきたしてしまう可能性も考えられます。
開業が初めての方は、何か問題が発生した際に、気軽に相談できる環境が整っていないのも、不安に思われるかもしれません。
そして、自宅サロンは自分が生活するプライベートの一部を利用するため、住所公開や盗難のリスクなど、セキュリティーには細心の注意を払いましょう。
自宅でマツエクサロンを運営している人は儲かっているのか?
実際にマツエクを自宅サロンで運営している人は、儲かることができているのでしょうか?
ここからは、マツエクの自宅サロンでの平均売上や年収、儲かることができると言われる背景について解説していきます。
自宅サロンでの平均売上
自宅で開業した場合の平均売上を、計算してみましょう。
- 単価:5,000円
- 1日の来客数:4名
- 営業日数:25日
売上:5,000円×4名×25日=50万円
来客数や営業日数はあくまでも目安になりますので、売上の金額は前後します。
マツエクは定期的なメンテナンスが必要なため、自宅サロンでリピート率を増やすことで、儲かることも可能です。
お客様に「このサロンで施術を受けたい。」と価値を感じていただければ、来店する確率は高くなり、単価も上げやすくなるでしょう。
単価を上げる方法として、下記の3つがあります。
- より高い施術メニューを受けていただく
- 複数の施術を受けていただく
- 店販商品を取り扱う
最近では韓国風まつげが注目されており、束感を持たせた仕上がりにすることで、お人形のようにパッチリな目元にしてくれます。
乾燥が気になる季節であれば、パックメニューをオプションとしてご提案してみるのも1つの方法でしょう。
また、店販もサロンの施術にプラスして、売上を伸ばすことができる貴重な収益源です。
上記のことを意識して、単価アップを目指していきましょう。
マツエクサロンの個人経営での年収
収入につながる利益は、売上 – 経費で算出できます。
上の項目で計算した売上50万円を用いて、マツエクの自宅サロンでの年収は、どのくらい儲かるのか見てみましょう。
売上 | 費用 |
---|---|
50万円 | 消耗品費 3万円 |
光熱費 2万円 | |
広告宣伝費 2万円 |
利益:50万円-7万円=43万円
年収:43万円×12ヶ月=516万円
日本の平均年収が約450万円であり、この場合だと平均より若干高めか同じくらいの金額だと言えるでしょう。
ewaluで開業した場合の収入例
次に、ewaluでマツエクサロンを個人開業した方の、年収例をご紹介します。
・顧客少数からのスタート・フルタイム
経過月数 | 手取り額 |
---|---|
1ヶ月 | 約28万円 |
2ヶ月 | 約39万円 |
3ヶ月 | 約57万円 |
6ヶ月 | 約61万円 |
12ヶ月目 | 約68万円 |
21ヶ月目 | 約62万円 |
開業当初の手取り額は約28万円からのスタートでしたが、3ヵ月目から手取り額60万円前後をコンスタントに得ることができています。
年収に換算すると約720万円で、マツエクの自宅サロンで運営するよりも、儲かることは十分可能です。
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弊社は高歩合制度を採用しており、売上の60~80%が収入となり、弊社の平均月収は業界最高水準の47万円となっています。
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自宅サロンでの運営が儲かると言われている背景
自宅サロンでの運営が儲かると言われている背景マツエクと他の美容業界で得ることができる利益には、どのくらい差があるのか比較してみましょう。
売上 | 経費 | 利益 | |
---|---|---|---|
マツエクサロン | 50万円 | 5万円 | 45万円 |
エステサロン | 100万円 | 60万円 | 40万円 |
ヘアサロン | 70万円 | 35万円 | 35万円 |
ネイルサロン | 40万円 | 4万円 | 36万円 |
上記の表では、一般的な個人経営での平均的な数字で算出しています。
前の項目でも解説しましたが、マツエクの施術に使用する商材は原価が安く、マツエクサロンの経営は利益を上げやすいことが特徴です。
エステサロンやヘアサロンの場合、施術に使用する材料費に多くのコストがかかり、経費が高くついてしまうため、利益率はどうしても下がってしまいます。
さらに、自宅で運営すれば家賃や人件費を抑えることができるため、マツエクの自宅サロンは儲かると言われているのです。
しかし、サロン経営や集客に関する知識が不十分なまま開業してしまったために、廃業に至ってしまうケースが多い現状があります。
マツエクの自宅サロンで儲かるために気を付けるべきポイントを、下記の項目で詳しく解説していますので、引き続き読んでみてください。
自宅サロンで開業するときに必要なもの
マツエクを自宅サロンで開業する際には、準備しておくべき資格や申請などがあります。
万が一準備できていないと、マツエクサロンが開業できない可能性もあるので、事前に確認しておきましょう。
ここでは、3点ご紹介していきます。
美容師免許
マツエクサロンでお客様に施術を行う場合は、国家資格である美容師免許が必須となります。
日本でマツエクが普及し始めた2000年頃までは法的な決まりはなく、資格がなくても施術ができていました。
ところが、マツエクの施術による目元のトラブルが多く発生したことにより、2008年から美容師免許を取得しているアイリストのみが、施術ができるという規制に変わったのです。
美容師免許の取得方法は、厚生労働省が指定する美容専門学校に2年以上通い、国家試験を受けて合格することが必要になります。
取得までにかかる費用は、通学制は2年間で150~300万円ですが、通信制だと3年間で50~70万円と費用を抑えて学ぶことが可能です。
それぞれにメリット/デメリットがあるため、自分のライフスタイルに合わせて取得方法を選んでいきましょう。
美容所登録
自宅でマツエクサロンを開業する場合でも、保健所への美容所登録は必要になります。
もし、申請ができていないと30万円以下の罰金となり、美容師法で法律違反と見なされるため、開業前に必ず登録しておきましょう。
美容所登録とは、保健所の監視員によるサロン内の立ち入り検査が入り、構造設備が所定の基準を満たしているかどうかの確認がされます。
検査に合格すれば、美容所として認められた証明書が交付され、マツエクサロンを開業することができますが、所要期間として2週間前後かかるため、計画的に準備を進めていきましょう。
また、保健所の検査基準や必要な書類等は自治体によって変わってくるため、管轄の保健所にあらかじめ確認しておくことをおすすめします。
開業資金
項目 | 金額 |
---|---|
内装費用 | 約5~100万円 |
看板設置費用 | 約20~40万円 |
家具や照明費用 | 約10~30万円 |
備品費用 | 約20~30万円 |
広告宣伝費 | 約5~10万円 |
自宅サロンで開業する際に必要な費用としては、50~100万円が目安です。
自宅での運営は、お客様にプライベートな雰囲気を感じさせないことや、美容所登録の条件を満たすためという理由から、内装工事費用が高額になる可能性が考えられます。
また、マツエクの自宅サロンが一般的な住宅街にあると認知されにくく、儲かることができないケースもあるため、広告宣伝費も5~10万円ほど準備しておくと良いかもしれません。
さらに開業後も、儲かるための運転資金を準備しておくことが重要です。
自宅サロンだと、主に光熱費と消耗品費で2~5万円ほどが目安となり、開業時点で6~12ヵ月分の資金を準備しておくことが望ましいでしょう。
助成金
上記でご紹介した開業資金を全て貯金でまかなっていくことが難しい場合に、助成金の申請を検討された方もいるかもしれません。
助成金は厚生労働省が管轄となり、労働者の職の安定を目的として、事業主に対して交付されます。
ここで注意していただきたいのが、受給の対象者は雇用しているスタッフがいる事業主になるため、個人でサロン経営する場合は対象外となるという点です。
マツエクサロンの開業を1人で行う場合の資金調達には、助成金やクラウドファンディングという方法もあるので、利用できる場合は活用してくと良いでしょう。
アイリストが自宅サロンで失敗しないために気を付けるべきこと3選
収入UPには限界がある
収入につながる売上は、下記の計算式になります。
売上 = 施術数 × 顧客単価 × 営業日数
自宅サロンのような個人経営では、1人で対応できる数に限度があるため、施術数と営業日数を増やすことは、負担がかかってしまいます。
一方で、顧客単価を上げることができれば、効率的に売上を伸ばすことが可能です。
例えば、5,000円の施術と10,000円の施術をしている場合とでは、1ヵ月同じ人数を施術していたとしても、売上は2倍変わってきます。
しかし、売上を伸ばしたいがために、顧客単価を無理に上げるような営業をしてしまっては、お客様が来店しなくなるかもしれません。
あくまでも、お客様のご要望に合わせたメニューや料金をご提案したうえで、顧客単価を上げていくことが前提ですので注意が必要です。
このように、マツエクの自宅サロンは儲かると言われているものの、収入を上げるには限界があるため、独立してたくさん稼ぎたいと考えている方には物足りなく感じてしまうかもしれないことは覚えておきましょう。
技術だけでなく経営スキルも磨く
マツエクの自宅サロンで儲かるために、アイリストが勘違いしやすいのが、技術力だけ身につければいいという考えです。
サロンを1人で運営していくためには、施術だけではなく経営スキルも磨いていかなければ、アイリストとしての独立が失敗に終わってしまうかもしれません。身につけておくべき経営スキルには下記のような項目が挙げられます。
- 他店にはない強みやウリを作る
- ターゲット層を明確にする
- サロンに最適な集客方法を選ぶ
- ネット予約ツールを取り入れる
経営のノウハウは独学で身につけることは難しいため、セミナーに参加したりサロン経営の専門家に相談することが1番の近道でしょう。
ewaluでは、集客に関する講習を開業前から学ぶことができ、経営の専門家が1人ひとりに合わせた開業プランをご提案いたします。
弊社の開業支援を利用した方の声もご紹介していますので、合わせてご覧下さい。
無許可で開業しない
マツエクの自宅サロンを開業していくためには、保健所の美容所登録をしていないと罰則があることは解説しましたが、他にも事前に許可を得ていないと違法とみなされるケースがあります。
その1つの例として、自宅サロンを賃貸で開業する場合です。
居住用として借りた物件で、無許可でサロンの開業や内装工事を行ってしまうと、賃貸契約法違反や建築基準法違反とみなされ、退去を言い渡される可能性があります。
現在住んでいる自宅が賃貸の場合は、開業前に必ず管理会社や大家さんに確認しましょう。
実際は、事業用として借りることができる賃貸物件は多くないことが現状ですので、引っ越しが必要になるケースがあることも覚悟しておいたほうが良いかもしれません。
一方で、税務署に提出する開業届は、忘れていても何か罰則があるわけではありませんが、節税対策や補助金申請ができないというデメリットがあります。
自宅サロンを開業してから1か月以内に管轄の税務署に提出しましょう。
広告宣伝費にしっかりお金をかける
自宅サロンでの集客方法として、広告宣伝費にかけられる予算が少ないために、無料で利用できるSNSでの集客を選ぶ傾向にあります。
しかし、SNSは効果が出るまでに時間がかかるうえに、専門的なスキルも必要なため、開業初期はホットペッパービューティーなどの集客力が高い媒体を利用することがおすすめです。
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- 登録会員数は3500万人と圧倒的規模で、大きな集客が見込める
- SEOに強く効率的な認知度UPが期待できる
- 予約/売上管理ツールが無料で利用できる
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まとめ
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しかし、個人の業務負担が重くのしかかるうえに、経営や集客に関するスキルも求められるという理由から、廃業に至ってしまうケースもあるのです。
アイリストとして独立を失敗させないためには、自分で経営ノウハウを学んでいくことはもちろんですが、専門家にアドバイスをもらうことも必要でしょう。
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